前回の続きです。
「にぃさまにはお話しましたが、
実は売主はここをすでに建売で販売しようと計画しています」
とK不動産。
「ただ、にぃさんはずっと、このあたりのエリアで土地で探してらっしゃった。
また、実は同じような条件を望むお客様がいらっしゃいまして、
売主にはいくつかの区画の建築確認をストップしてもらっています。
なので今狙っている区画を他のお客様が先に購入する可能性もあります。」
まぁそんな事を言って焦らせようとしているのか、どうなのか、
判断はつきかねますが、黙って話を聞きます。
「実は、にぃさんが望んでらっしゃるこのC区画ですが
建売ですと3600~3700での販売計画になっています。」
私達は土地+建物3500万で、と頑なにK不動産には話をしていました。
なので建売でこの区画を買うとなると100~200万オーバーする事になります。
まぁ実はM信託での低金利であればそのくらいのプラスになっても
払えないことはないのですが
借りる金額は抑えた方がいいに決まっています。
何より、建売は間取り変更できないので、イヤです。
「ただですね、まだ販売開始になってないので、もしにぃさん達がこの区画を
3500で購入してもですね、他の区画でその分のマイナスを
補ってもらうことが可能なんです。
いうならば、他の6区画(1区画はすでに販売済み)にその分の損失を補填してもらう
という形ですね。
今の状況なら、それが可能なんです。もちろん、売主がOKを出すかどうかは
わかりません。ただやってみる価値はあると思います。」
間違いなくゴウくんの心を動かす説明でした。
そう、ゴウくんは
他が損して自分達が得する、というストーリーが好きなのです。
実際T不動産の説明が事実なのかどうかはわかりません。
ただ、確かにこの区画で土地+建物3500は絶対にお買い得だと
私の脳内データベース内で確信がありました。
1年近く様々な建売や土地をみてきて
環境・土地の価格・施工会社・日当たり、どれをとっても
3500で新築で売りに出るような物件ではないのです。
ゴウくんは「わかりました、また家に帰って考えて見ます」と答え、
子供達を義理両親宅からピックアップし、自宅へ帰って話し合いました。